運動器障害の一次予防研究会
先日、早稲田大学の国際会議場井深大記念ホールで開催されたシンポジウムを聴衆しに行ってきました。
テーマは、運動器障害を予防・軽減するモーターコントロールエクササイズ(MCEx)について。
”特に、腰痛をはじめとした運動器障害に対する運動療法は有効であり、そのなかでも身体の各部位の筋協調性を高めるモーターコントロールエクササイズ(MCEx)が注目されている。一般に普及されているヨガ、ピラティスなどはこのMCExの要素を含むと考えられ、こちらのエッセンスを抽出し、障害の病態別に処方することができれば運動療法の効果を高めることが期待される。”(抜粋)
今回、国(スポーツ庁)からの依頼で医師・専門家が活動されている内容です。そして、今回各専門家の方々が、仮説をたて検証し発表してくださいました。
ヨガインストラクターの私たちは、自分の体験談や経験、勉強などで学んだことを仮説的に提供していることが多いと思います。例えば、レッスン中インストラクターの言葉で「これは○○に良いと言われいます。」と聞いたことはないでしょうか?この表現の中には「そう教わったけど実際はわからない」という意味にも含まれているわけです。一方で、曖昧な表現だからこそ心理的な面から身体的効果が表れるという経験もしているので、一概に白黒はっきりさせることが正しいとも思っていません。
なので、今回の機会では科学的に客観的な数値で知ることができたこと、そして、今回の研究で一定の基準を満たせば運動器障害の予防に繋がるというデータを見ることができたのはとても有意義で自分の活動に更に自信が持てる日となりました。
”一定の基準を満たせば”というのがやはり大切で、やはり正しい方法で日常的に実践するということなんですよね。
そう考えると私がずっと大切にしている ≪少人数≫ ≪定期クラス≫ ≪安心の環境≫ ともリンクしてくるのです。
★一人一人に合った又は正しい方法でヨガアーサナを提供すること。
一人ひとりとコミュニケーションがとれる少人数でクラスを開催していること、プライベートレッスンを取り入れていることは、参加者自身が自分の心身を自分事と捉えて積極的に取り組むことができるので、指導も細かいところまで届いていくのだと実感しています。
★効果を高めるため鍵になるのは、定期的にヨガを続ける環境を提供すること。
ヨガに触れる機会としてイベント開催もいいですが、やはり安定して参加できるヨガクラスがあることは参加者の継続のモチベーションになります。
同時に、個人として活動している今、私自身が安定したクラスを継続できるよう活動過多にならないようにしています。(問題は少人数クラスは受け入れが少ない分、レッスン数を増やさないと参加したくてもできないというデメリットがあるのも悩みどころです。これに関しては別課題です。)
さて、ヨガを継続してくださっている方々の効果の程は比較できない(同人物・同環境でヨガを全くしない人、している人という意味)での白黒はっきりつけることはできませんが、長く続くヨガの歴史、科学的に証明され始めた効果、自分自身の体験、生徒さんからのフィードバックなど総合しても、間違いなく運動器障害の予防に繋がっていると確認することができた機会でした。
基調講演をして下さった室伏広治スポーツ庁長官
現役時代の身体の体験談など詳しくお話をして下さいました。
今回のシンポジウムの開催をSNSで告知をして下さり、そのお陰で私は参加をする機会を頂きました。ヨガジェネレーションの酒造さん。ありがとうございました。
登壇された方の中で抜群に人を惹きつける内容と話術。きっとこの方がいなかったらヨガがこんなにも広まらなかったんじゃないかといつも思います。
今回、写真撮影はOK!SNS投稿OK!ということで一部だけアップ。
参考までに今回検証されたアーサナの例は立位のアーサナです。戦士シリーズ、ハイランジ、ツイスト系がMCXeの視点からみた運動器障害の予防効果に有効ということです。
最後に、今回のシンポジウムでもう一つテーマとなっていたこと。
それは、運動器障害の予防をする場が各地域にまだまだ少ないということ。
病院でお世話になるほどでもなく、アスリートでもない一般的な国民が、安心して通える場所を増やしていきたいというのがシンポジウムでも課題となっていました。この課題を現実的にクリアしていくことは決して容易ではないように思います。
未来がもっと素晴らしい豊かなものになるよう、今の日々を大切に過ごしていければいいですね!
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